このところ、海外の方をおもてなししたいけれど、どうしたらいいか分からないというご相談が増えています。
例えば、お店や自分の家で海外の友人を招いて日本ならではのおもてなしをしたい、でも茶道の知識もなければ、茶室も畳もない!
そんな時は、形にとらわれず、茶道の本質をついた「おもてなし」を表現することが、喜ばれるヒントになると考えています。
目次
1:まずは、雰囲気を演出する(茶室や畳など)
茶室や畳がなくてもできることは沢山あります。空間をできるだけ近づけるのです。
例えば、ござを敷いたり、季節の花を飾りましょう。
100円で販売されている掛軸も飾れば雰囲気は出ます。出窓があれば、その空いているスペースに置くことで、まるで簡易の床の間のようにできます。
2:お抹茶を出す時は、お盆を用意しましょう。
この手法は和カフェなどでも取り入れているものです。お盆の上に、お菓子とお抹茶を一緒に出してください。
そこに、黒文字も懐紙も用意できたら良いですね。
3:本格的な茶道体験とは違ったアプローチで楽しんでもらいましょう
さて、ある程度の雰囲気を出すことができれば、あとは、お相手にこのように言いましょう。
「他のお店では、お茶室体験ができるけれど、自分でお抹茶を点てるお茶会をしよう!」
実は、自分でお抹茶を点てて楽しむ体験というのはまだまだ多くありません。
だからこそ、一緒に動画でも見ながらやってみない?というのはきっと楽しい経験になるでしょう。
4:コミュニケーションをとりながら、楽しみましょう。
本格的な茶室ですと、厳かな雰囲気でリラックスが難しいかもしれません。
しかし、あえて、会話でコミュニケーションを取りながら、楽しみましょう。
実は、茶道の作法にはコミュニケーションを表現する意味が含まれているのです。
ですから、それを言語化するということもきっと、相手にとってわかりやすいでしょう。
5:会話のお供に簡単な茶道の本を用意することがおすすめ
さて、ここで、ぜひおすすめがあります。茶道に関する簡単な本を用意しましょう。
できれば、知識がたくさん詰まっているものよりも、今自分がやっている作法がどのような意味があるのか、抹茶はどのように作られているのかといった、関連している情報が良いでしょう。
きっと、話がどんどん膨らんでいって楽しくなると思います。
人は自分が何をしているのか、どのような意味があるのかを知ることで、より理解が深まったり、関心が高くなったります。
だからこそ、何がどのように意味になるのか、その背景も伝えられたらきっと喜んでくれるでしょう。
6:海外の人は何を知りたいのかを理解する
茶道はただお茶を飲む文化ではありません。
お茶という文化を通じて、日本や日本人のアイデンティティ、歴史、宗教性、文化を学べるものです。
だからこそ、それを分かりやすく言語化することの意識もおすすめします。
特に、お互いの違いや似ている考え方や捉え方といった「見えない部分」のところにフォーカスするとよりお互いの文化や考え方を理解しやすくなります。
例えば、相手の国でもお茶の文化があれば、それについて質問しても良いでしょう。
文化を通じて、コミュニケーションを取るということができるのです。
茶道の本質の一つ、それは「その意味を自分なりに解釈する」という禅の考えである
ここまで、茶室や畳がなくてもできる、茶道のおもてなしについてご紹介しました。
茶道というと日本人や日本での経験が長いとどうしても茶室や畳といったイメージがわくでしょう。
そこで、正座や着物といったことも連想されるかもしれません。
しかし、現実的にはそれを全て用意することは難しいこともあります。
だからこそ、茶道の本質を理解して違ったアプローチで楽しむということがおすすめです。
茶道とは、お茶文化を通じて日本という国、日本人というアイデンティティに触れていきます。
決して、ただお茶を飲む文化ではないのです。
そして、一口に茶道といっても全国に500以上の流派が存在し、やり方は多種多様。
しかし、本質はほぼ同じ。
だからこそ、形にとらわれずに楽しめたら良いですね。
|