大学院を修了してから、社会に出てあっという間に10年になろうとしています。
ありがたいことに茶道を日本人向けと外国人向けにお伝えするこの仕事も、10年となりました。(あくまでも開業届を出してからということになりますが)
最初は渋谷のITベンチャー起業に勤め、そこから経営コンサルティング会社に勤め、色んなことを経験させてもらいました。
仕事をしていく中でしんどいことや辛いことがあったときは、よく茶道の禅語を読み、助けられたこともありました。
そして、自分自身と向き合ったり、学ばさせていただいたりと本当に実りのあるものだったと思います。
そこで、茶道の禅語の中でもよく役だったものをご紹介します。
目次
1:自分の足もとをよく見よう「脚下照顧」(きゃっかしょうこ)
「脚下照顧」(きゃっかしょうこ)という禅語があります。
元は、他に向かって見返り等を追求せず、まず自分の足元や本性をよく見つめなさい、というものです。
仕事においては、目の前の仕事に全力を注ぐことも必要ですが、同時に自分の位置や周囲の状況にも常に気を配ることが大切です。
日々の業務をこなすだけでなく、会社の方針や上司・同僚の考えを汲み取り、自分が会社にとってどのような存在かを明確に自覚すること。それはお客様にとっても同じことです。
そして、自分が相手に何を求められているかを仕事を通じて会社や顧客に価値を提供し、自分のキャリアを築くには、仕事に打ち込むと同時に「脚下」をしっかりと見定める姿勢が不可欠なのです。
2:外にばかり求めず、自分の心と向き合おう「回光返照」(えこうへんしょう)
禅語の「回光返照」(えこうへんしょう)とは、他人を気にせず、自分の心を見つめるという意味です。
これを意識することで、自分の強みや可能性を最大限に発揮することができます。
自分の長所や才能に目を向け、それを磨き上げることで、自分の光はさらに輝きを増します。
同時に、自分の短所や弱点にも目を向け、その改善に取り組むことで、全体としての実力が高まります。
3:自分がすべきことをしよう「他不是吾」(たはこれわれにあらず)
「他不是吾」(たはこれわれにあらず)は、禅語のことば通り、「他人は自分ではない」ということです。
つまり、自分は自分でしかこの人生を生きることはできない。そして、本来、今自分がやるべきことは、自分が一番よく知っている、ということです。
4:先送りせずにやるべきことをやろう「更待何時」(さらにいずれのときをかまたん)
一瞬一瞬を無駄にすべきではないという禅語の「更待何時」(さらにいずれのときをかまたん)があります。
ついつい、人は物事を後回しにしがちです。しかし、きちんとやるべきことを積み重ねることで結果が変わってきます。
仕事にも役立つ茶道・禅を味方につけよう!
仕事は自分自身を高めるひとつのツールです。だからこそ、ある意味で上手に活用することで大きく成長することができます。
前までは見えてこなかった視点や相手の気持ち、拡がる世界。人としての成長は世界を大きく、そして豊かに変えるものです。
だからこそ、そのヒントとなるような茶道・禅を取り入れることがおすすめです。
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