日本では古くから竹は身近な材料として活用されてきました。そのため、日本の茶道具には竹で出来ているものが多いです。
その理由は、日本の気候や歴史的な利用、在来種や外来種などの関係でとても豊富だったのです。
だからこそ、これまで和歌や俳句の題材になったり、竹細工として花瓶、風鈴、竹とんぼなどの工芸品として親しまれてきました。
さらに、京都の金閣寺や銀閣寺をはじめ、寺院の倉庫や土蔵にも竹材が使われています。
このように、日本の文化や芸術には竹が深く関わってきました。茶道具だけでなく、日本人の生活に竹は不可欠な存在といえます。
日本の茶道具に竹がよく使われる10個の理由
- 竹は伸びが良く、茶道具に適した形状に加工しやすい
- 竹は軽く丈夫なため、茶道具として扱いやすい
- 竹には節があり、茶道具のデザイン性を高めるのに適している
- 竹は保温性が高く、茶を温かく保つのに向いている
- 竹は通気性が良いため、茶具を乾燥しやすく衛生的
- 竹は抗菌作用があると言われ、茶道具に適した材料
- 竹は日本各地で簡単に手に入るため、茶道具材料として普及
- 竹細工は日本の伝統工芸の一つで、茶道との相性が良い
- 竹の自然な色合いが、茶道のわびさびの精神に合っている
- 竹は環境にやさしく、持続可能な茶道具材料として重宝される
以上のように、竹は茶道具作成に様々な意味で適したものといえます。
社会環境の変化とともに、茶道具を取り巻く状況も変わる
社会環境の変化によって、竹を取り巻く状況が変わり、人々の生活から竹が遠のいてきました。
その理由をいくつか挙げましょう。
- 高度経済成長期以降、木材やプラスチックなどに取って代わられ、生活用品から遠のいた
- 里山の手入れが行き届かなくなり、質の高い竹材の確保が難しくなった
- 伝統工芸を支えていた竹細工職人の高齢化と後継者不足が進行
- 衰退した竹林が鳥獣の住処となり、生活の中から竹を見る機会が減った
- 生活スタイルの変化で、竹細工などを自分でする機会が失われた
- プラスチックなどの安価な代替品が普及し、竹の需要が低迷した
- 都市化により、人々が竹の自生地から遠ざかった
しかし、最近では竹の素材としての再評価も始まっており、今後は持続可能な資源として竹が見直される声もあがっています。
日本の持つ独特の文化を楽しむ
いかがでしょうか。
ここまで、日本と竹の関係についてお話をしました。
このように掘り下げてみると、とても興味深いですよね。
また、日本の昔話にも竹は多く出てくるキーワードです。
例えば、以下があります。
- 竹取物語 – 竹の中から光るかぐや姫が発見される
- さるかに合戦 – カニとサルが竹の棒を使って戦う
- うりぼう – うさぎが竹の筒に隠れて鼠をだます
- 舌切雀 – 雀が人間に舌を切られ、竹の管で鳴く
- 瓜子姫 – 瓜の実の中から姫が生まれ、竹に刺し違えられる
- お竹とお菊 – 竹と菊の精が喧嘩し、竹が菊を刺す
- かちかち山 – 竹の子供が山猿にからかわれる
- 豆太鼓 – 豆太鼓が竹の棒で叩かれる
- さるかさ – 猿が竹の皮をかぶって雨宿りする
- 笹取り – 竹の笹を取りに山に入った老婆が鬼に食べられる
このように、竹は昔話に度々登場します。
こんな風に、どこに何が使われているかを探すのも面白そうです!
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