春になると季節も春めいて、新しいことを始めてみたいな、と思うことはありませんか?
新しい趣味や勉強、新たな人間関係などに挑戦してみようかなと、色々考える方もいらっしゃるでしょう。
そこで、今回は新しく物事を始め、続けていくために必要となるヒントを禅からご紹介していきます。
目次
1:自らの行いは実りになる「結果自然成」(けっかじねんになる)
「結果自然成」(けっかじねんになる)という禅語があります。
これは、コツコツと続けていくとそれは自然と結果につながる、という意味です。
この禅語の自然というものは、自分ではコントロールができないところのことを指します。
例えば、周りの人の影響や環境の変化です。
何事もそうですが、すぐに良い結果やラッキーな結果につながることはあまりありません。ずっと地道に続けて、やるべきことをきちんと積み重ねていくからこそ、いざという時にパワーを発揮できます。
そして、簡単に身についてしまうことは、多くの場合、簡単になくなっていくものです。
例えば、若さだけで評価されていれば、その若さがなくなった時にはそれで評価を得ることはできません。それ以外で評価されるように努力を積み重ねる必要があるのです。
だからこそ、続けていくことがポイントです。
2:良いことも悪いことも自分に返ってくる「因果応報」(いんがおうほう)
同じような禅語には「因果応報」(いんがおうほう)というものもあります。
その言葉は特にマイナスなイメージで解釈されやすいですが、実は良い意味でも使われます。
自分がやってきたことは自分に返ってくる、というとてもシンプルなものです。
特に、毎日同じようなことをしているな、と思う日々でも、それをどのように自分にとってより良きものにしていくかという意識でやり続けるかと、どうでもいいやと思って雑に扱う意識でやり続けるのとでは変わってくると思いませんか?
そして、その意識と行動の積み重ねによって、人はその内面部分が外にあらわれていくものです。
日々、たとえ小さなことだとしても、それをどうでもいいやと思って雑に扱えば、雑に扱うという行動が染みついていきます。
それは、習慣となり、無意識となり、とっさの時にはその雑さというところがあらわれるというものです。
そして、途中で投げ出したりすることにも繋がっていきます。逆もしかりです。
3:姿形を変えても本質は変わらない「雲無心出岫」(くもむしんにしてしゅうをいづ)
禅語には「雲無心出岫」(くもむしんにしてしゅうをいづ)というものがあります。
意味は、風の影響で自由に形や移動をする雲でも、雲という本質は変わらないということです。
これはどんなことにも言えそうです。
また、年齢を重ねても人の本質はなかなか変わらないということもいえるでしょう。
だからこそ、物事の本質をとらえ、それをどのように捉え、具体的に扱っていくか、ということが重要ではないでしょうか。
例えば、私自身は13歳から茶道を始め、ありがたいことに茶道をお仕事としてずっと続けています。
しかし、自分ではコントロールの効かないところでのハプニングがおきたり、時には発信するネタが思いつかなくて低迷期のようなところに入ってしまった、といった、壁にぶちあたることがあります。
その上で、茶道のお仕事を続けていくために、その本質を自分に問いて考えてみるのです。
なぜ、私は茶道を始めたのか。
なぜ、私はこんなにも茶道を面白いと思い、人に伝えたいと考えて活動しているのか。
なぜ、ここまで茶道との関わりを継続することができたのか。
それは、茶道のもつ背景や歴史、宗教性などがとても面白く、人生を生きていく上でとても重要なことが学べると感動したからだな、と初心に戻るのです。
そうすると、その本質について、楽しむためにはどうしたらいいかな、その感動を人にも伝えるにはどうしたらいいかな、というように、さらに自分に問うことができます。
すると、必ず〇〇はしないといけない!といったプレッシャーを自分にかけるのを辞めて、楽しむようにしようと楽になったり
生きていく上での失敗から茶道や禅の教えによって学びになったことを、このように文章でまとめよう、という考えが出てきたり
といった、アイディアが出てきて、ふっと何か暗闇のようなところから抜け出すことができるのです。
なぜなら、物事の本質を捉え、決してそれを否定することなく、アプローチやアイディアの変化で対応しようとするからです。
このように、問題や物事の本質はなんだろうか、と考え、問いていくことでよりその本質を導き出すことができます。
物事を続け上手になってみよう!
ここまで、禅の考え方を踏まえて物事を続けていくヒントをご紹介しました。
何かを始めること、そして続けること、というのは簡単ではありません。
だからこそ、自分が始めやすいように、続けやすいように意識も行動も実際に試行錯誤して実践するということも大事なことです。
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