まあ、正直使わないけれども、捨てられないな
捨てるということが面倒だよ~
いつか使うかもしれないから捨てたくない !もったいない!
「片付け」や「掃除」が面倒!というお気持ちはとてもよく分かります。しかし、茶道・禅において清潔さと掃除というものはとても大切にされています。
例えば、茶室は必要最低限のものだけを置き、御抹茶が一番美味しく味わえるために計算をされています。
もちろん、大切なお客様に心地よく過ごしてもらいたい、という思いもあります。
また、心のケガレを落とす、という意味でも1つの修行として取り入れているお寺もあります。
つまり、優先順位をつけて、その上で合理的だということで清潔さや掃除を大切にしています。
目次
不要なものを除くことで、より必要なものが見つけやすい
不要なものがあると必要なものを探し出すことに時間がかかります。
その時間があれば、もっと他のことに時間を使えたかもしれません。
また、「もったいない」という言葉はある意味で素晴らしい考え方ですが、一方でこんなことも言えます。
過去の執着と未来への不安です。
例えば、あの洋服は高かったから捨てられないというのは、過去への執着です。
もっと心を深掘りすると、もしかしたらあんな高い洋服は今後自分では買えないかもしれない。
あの時の自分は素晴らしい時間を過ごしたから、その象徴として取っておきたい、それは、未来にはそれ以上の時間は得られないかもしれない。
こんな風に、過去に起きた出来事や予定の分からない未来に意識を向けてしまうと、「今現在」がないがしろにされてしまいます。
未来というものは「今現在」というものは積み重なってつながっていきます。
だからこそ、「今現在」が一番幸せだ!と思えるように、過去と未来のことは考えすぎないことがポイントです。
清潔にすると健康的に日々を過ごせる
やはり、清潔さというのはとても重要です。
まるでゴミ置き場のような汚さのままで過ごしていると、病気にもなりやすくなります。
そうすると、日々の細やかなことにも意識を向けることなく、どんどん自分を大切にしなくなります。
英語でもありますが、まるでゴミ屋敷なようなところに住んでいる人を「セルフ・ネグレクト」とも言います。
これは何かと言うと、自分自身で虐待をしているということになります。
自分自身で虐待をする、なんてとても悲しいですよね。
難しい場合は、人にも助けを求めて良いのです。
ぜひ、一歩でも良いので、清潔さを意識してください。
掃除は心の掃除ともいわれる
掃除や片付け、整理整頓をしてなんだか頭がスッキリした!気持ち良かった!という経験がある方も多いでしょう。
科学的にも、掃除や片付けは脳にとって良い心地にさせてくれるとの研究結果があります。
それは、様々な理由や効果があるようです。
例えば、掃除はやればやっただけ効果が目に見えるから嬉しくなる、自分で判断していくので脳も整理される、といったことです。
人は、脳の中で整理整頓が出来てないと、不安になったり悩み過ぎたりしてしまいます。
特に、自分ではどうにもできないことに悩んでも仕方ありません。
心の掃除というのは、思考と感情の整理にもつながります。
ぜひ、悩んだ時は、一旦掃除や整理整頓をしてみるのも、良いきっかけになるでしょう。
心の掃除が与える効果
さらに、自分が持っている手放したい考え方や思い込みも心の掃除をするのがおすすめです。
人は自分が思い込んでいること、当たり前だと思っていることの出来事を生み出します。
言い方を変えるならば、自分に対して決めつけていることを自分の経験として認識するのです。
例えば、Aさんという方が「自分はよく人から責められる」と思っているとします。
ある日、同僚のCさんに、責められました。すると、Aさんは「また、私は責められた!」と思うのです。
私はまた責められた、小さい頃から責められる、責められる私は悪い、価値がない。と、どんどんネガティブになっていきます。
そして、責められることに対して悲しい感情や悔しい感情もあります。
だから、責められて悲しい感情になる私は傷つけられているし、価値も低く、生きづらい、という考え方につながります。
Bさんという方は「私は誰に何を言われても納得しない限りは傷つくことはない」と思っているとします。
ある日、同僚のCさんに、責められました。すると、Bさんは「あら、何か言われたわ」と思います。
しかし、その責められた内容が自分で納得しない限りは、自分に非がないと思いません。
それに、納得できて自分が悪いなと思うのであれば、それは単純に自分の行動に誤りがあったと思い、反省します。
そこでは、絶対に自分自身のことを責めません。
ただ、その時は自分の考え方のひとつに誤りがあり、その行動がその際に不適切だった、というただどれだけの出来事です。
そうすると、そんな出来事もあったな、くらいのただの日常の1つにしか思いません。
次に同じようなことが起きないように気をつけるだけです。
いかがでしょうか。同じような出来事が起きても、自分自身の考え方やとらえ方が違うだけで、周りも日常も変わってきます。
いつだって人は、自分自身と向き合い、思考と感情の整理をすることで変わることができます。
自分自身が変われば、人生も変わっていくのです。
茶道の禅を上手に活用し、より素敵で楽しい日々を過ごしましょう。
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