「マニュアル通りなんてつまらない」
「自分らしさ(オリジナリティ)が大事だ」
ビジネスでも、アートでも、私たちはすぐに「自己流」を求めたがります。
窮屈なルールや、決められた動作(型)を、「創造性を殺すもの」だと感じてしまうからです。
しかし、断言します。
「型(カタ)」を持たないと、自分のオリジナルは作れません。
今回は、日本の伝統芸能における「守破離(しゅはり)」と、なぜ茶道があれほど「型」を大切にするのかについてご案内します。
目次
1. 守破離(Shu-Ha-Ri)とは何か?
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守破離とは、修行における3つの段階を示したプロセスです。
守(Shu): 師匠の教え、型を忠実に「守る」段階。アレンジは一切禁止。徹底的に真似る(TTP=徹底的にパクる)。
破(Ha): 型を身につけた後、少しずつ自分に合ったやり方へ改良し、既存の殻を「破る」段階。
離(Ri): 型から完全に離れ、自由自在に独自の境地へ到達する。「離れる」段階。
多くの人は、いきなり「離」をやろうとして失敗します。
基礎(守)がないのに応用(破・離)をしようとする。これは、「カオス(無秩序)」であって「オリジナリティ」ではありません。
2. なぜ茶道には「型」があるのか?
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茶道では、お湯の汲み方、茶碗の回し方、歩き方まで、「型」が決まっています。
実は、意味と合理的でロジカルな理由があるのです。
理由①:「本質的」なゴールを大事にするため
お湯をどう汲もうか? 足をどう運ぼうか?
実は、一番大切にしている「お抹茶を美味しく飲んでいただくため」に逆算しているのです。
理由②:基準がないと「改善」ができない
マーケティングで言えば、「型」は「KPI(重要業績評価指標)」や「勝ちパターン」です。
基準となるフォーム(型)があるからこそ、
「今日のお茶は少しぬるかった。あそこの動作が遅れたからだ」
と気づけます。
型がない=比較対象がない。
つまり、何が良いのか悪いのか分からず、永遠にPDCA(改善サイクル)が回せない状態を意味します。
3. 「不自由」の先にしか「自由」はない
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ピカソの絵を見たことがありますか?
あの一見奇抜な絵を描くピカソは、実は10代の頃、写真と見間違えるほど精巧なデッサン力を持っていました。
圧倒的な「守(デッサン力)」があったからこそ、それを「破」り、独自のキュビズムという「離」へ到達できたのです。
ビジネスも同じです。
売れるコピーライティングの「型」
成功する商談の「型」
人を動かすプレゼンの「型」
天才と呼ばれる人ほど、最初はこれらを愚直なまでにコピーしています。
「型」という土台(制限)があるからこそ、その上に立つ個性(自由)が輝くのです。
4. まとめ:あなたの「型」を見つけよう
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茶道の型が美しいのは、そこから一切の「無駄」が削ぎ落とされているからです。
それは、数百年の歴史が磨き上げた「最適解」でもあります。
もしあなたが今、仕事や学習で行き詰まっているなら、自分に問いかけてみてください。
「私は、自分勝手な“我流”に逃げていないか?」
「徹底的に真似るべき“型”を、軽視していないか?」
近道を探すのをやめて、遠回りに見える「型」の習得に励んでみてください。
逆説的ですが、それが「あなただけのオリジナル」に到達する、最短のルートにもなっていきます。
これらは茶道だけでなく、人生をよりよく生きる上での心構えでもあるのです。
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