夏を楽しむお茶会と茶道の銘リスト5月6月7月

夏が来たぞー!海だ!プールだ!楽しむぞ!

冷たい和菓子をつるん!といきたいね!

夏って抹茶はあのあついまま飲むのかな?

夏と言えば、何を連想されるでしょうか。「ひまわり」「スイカ」「夏休み」など、様々にありますね。

みなさんが夏と言えば、これかな、と連想するように日本では四季があり、その四季に合わせて行事や特色があります。

茶道の考え方は、ありのままを大切にし、その時を大切にするというものですから、季節感もとても大切にします。できるだけ、雰囲気を「涼しげ」に感じてもらえるように和菓子や道具を取りそろえます。

ここでは、夏に関する茶道の道具やお花、和菓子についてをお伝えします。ぜひ、夏を楽しむ茶道や抹茶・お茶会を楽しんでくださいね。

夏の銘は何か?

銘とは、名前のことを言います。この名前とは一般的に優れた作品に対して使われます。また、銘は、茶道では器やお茶、お酒、お菓子に名付けれます。

季節に関するものであれば、季節を代表するものの名前をかねて付けられます。さらに、茶道において、春夏秋冬の分け方は、実際の季節感とは変わります。春は2月~4月、夏は5月~7月、秋は8月~10月、冬は11月~1月とされています。

では、夏の銘を月ごとに一部ご紹介します。

5月は、「薫風」(くんぷう)、「都鳥」(みやこどり)、「菖蒲太刀」(しょうぶたち)、「早乙女」(さおとめ)、「麦笛」(むぎぶえ)などです。

5月~6月は、「唐衣」(からころも)、「颯々」(さつさつ)、「青田風」(あおたかぜ)、「五月雨」(さみだれ)などです。

6月は、「芒種」(ぼうしゅ)、「青田」(あおた)、「仏法僧」(ぶっぽうそう)、「涼一味」(りょういちみ)、「雨後青山」(うごのせいざん)、「五十鈴川」(いすずがわ)、などです。

6月~7月は、「苔清水」(こけしみず)、「蛍狩」(ほたるがり)、「梅雨晴」(つゆばれ)などです。

7月は、「天の川」(あまのがわ)、「笹舟」(ささぶね)、「白糸」(しらいと)、「夕涼み」(ゆうすずみ)、「打ち水」(うちみず)、「雪渓」(せっけい)などです。

また、この銘は、茶席で湯を沸かす火鉢状の部分の風炉(ふろ)でもあります。風炉は、5月から10月まで使われるの道具のことで、あたたかさを避けるを演出します。銘は季節を代表する花や動物も関係します。

夏の茶花は何か?

茶花とは、茶道で飾るお花のことを指します。華道とは違い、茶道の場合は主役はあくまでもお茶です。

そのため、シンプルで匂いの強いものは避けれます。さらに、季節感を楽しむことがメインなので、珍しい花ばかりではありません。

5月は、白雲木(はくうんぼく)、敦盛草(あつもりそう)、つるききょう、五月梅、山法師、かきつばた、ちごゆり、ななかまど、あし、山しゃくしゃく、しょうぶ、卯の花、都忘れ、姫ゆり、熊谷草、黒ゆりなどです。

6月は、がんぴ、鉄せん、錦糸梅、破れ傘、しゃらつばき、かわらなでしこ、かのこ草、とらのお、泡盛草(あわもりそう)、あざみ、こうほうね、むくげ、笹ゆり、三白草(さんぱくそう)などです。

7月は、むくげ、なでしこ、はす、まつむし草、しゅうかいどう、夏ふじ、はまぼう、田村草、水引き草、秋唐松、ふよう、ききょう、しまあし、などです。

また、季節によって変わる茶花は、それをもとに和菓子にもデザインとして引用されます。

例えば、夏の場合、ほととぎずやほたる、うつせみといったものをモチーフに和菓子を作るのです。

夏の和菓子の3つの特徴

1:夏を連想させるような色彩

和菓子は、味だけでなく色も重要です。夏を連想させるような色彩が使われます。

2:味わいも夏を意識した季節感を

味わいもを実際に使った和菓子など、夏だからこその味を表現します。

夏の和菓子

3:風習や伝統にちなんだデザインやモチーフ

夏だからこそ行われる風習、伝統に関連した和菓子も作られます。

夏の和菓子

夏だけに行われるお茶会があります。

実は、夏だからこそ、その季節だからこそ開かれるお茶会というものがあります。

立夏を過ぎるあたりから、お茶会の席の装いが炉(ろ)から風炉(ふろ)に変わり、この時期を「初風炉」といいます。
炭斗(すみとり)や柄杓が炉より小さくなり、道具も涼しい感じのあるものとなります。また、新茶をたのしむ「夏切茶」や「端午の節句」の茶会があるのも特徴的です。

また、6月から8月ごろの暑い時期でのお茶会は、お茶碗も口が広く浅い「平茶碗」が多くつかわれ、涼やかな演出をします。

7月の朝茶事では、気温が高くなる時間の前に一会を済ませるため、朝5時から6時までに席入りをして、道具の取り合わせや懐石の献立も簡単にします。

事例をご紹介します。

氷の抹茶の写真

・5月のお茶会(事例)
1日:初風炉(初旬)、宗箇忌
2日:夏切茶
3日:東大寺献茶(裏千家)
5日:瑞牛の茶
6日:宗全忌、金閣寺献茶(表千家)
7日:宗湛会(博多、祟福寺。第1土曜日、日曜日)
9日:下鴨神社献茶(三千家、9日ごろ)
13日:遠州忌(大徳寺孤篷庵)
15日:珠光忌
17日:上賀茂神社献茶(裏千家)
21日:三船祭(京都・車折神社で第3日曜日)
23日:丈山忌(詩仙堂)
28日:石清水八幡宮献茶(表千家)、月次利休忌
29日:日吉大社献茶(坂本、裏千家)
31日:明治村茶会(5月中の2日間)

・6月のお茶会(事例)
1日:涼一味(6月~8月)
2日:光琳・乾山忌茶会(熱海・MOA美術館。2日を含む2日間)
4日:菖蒲(しょうぶ)観賞茶会(第1日曜日)
7日:剣仲忌
9日:近江神社献茶(裏千家)、日光東照宮献茶(表、裏千家)
11日:織部忌
20日:雨中の茶(梅雨どき)
28日:長闇堂忌、月次利休忌

・7月のお茶会(事例)
1日:櫛田神社献茶(南方流。1日~15日)
2日:朝茶事(7月~8月)
5日:精中・圓能・無限忌(裏千家)
7日:貴船神社献茶(裏千家)、七夕の茶
8日:唐招提寺献茶(表千家)
16日:八坂神社献茶(表・裏千家)
17日:祇園際(山鉾巡行)
23日:納涼の茶(盛夏)
28日:月次利休忌

茶道を通じて夏をもっと楽しもう!

いかがでしたでしょうか。もちろん、茶道には通年で使われたり、行われる茶会もあります。

しかし、せっかくの夏ですから、茶道や抹茶を楽しむならば、ぜひ季節感も意識すると気持ちが変わります。

例えば、いつも通年で食べる和菓子よりも夏限定の和菓子にしたり、夏らしいお茶碗やお皿を用意するだけでも立派なお茶会です。

「その時を楽しむ」茶道、この季節を楽しんで、より素敵な日々を過ごしてくださいね。

<四季の銘が分かる!おすすめ文献ピックアップ>

四季を楽しむ書籍

茶道の道具や和菓子の銘がおよそ1000語掲載されています。銘の中には俳句の季語になっているものもあり、日本文化に興味のある方にはおすすめです。>>茶の湯の銘 季節のことば (淡交新書)はこちら

 

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