3月になりました。別れと出会いの季節ですね。
幼い頃や学生時代を振り返ると、また1年上に上がったな~とよく実感していたことを思い出します。社会人になると数字ではなく、環境によって自分の成長を実感できますね。
職場に慣れてきたり、後輩が出来たり、プライベートでは家族が増えたり、といったところでしょうか。
私も、茶道で開業してから早10年が経とうとしています。本当に、あっという間です。この10年でも、茶道を続けてこれたのは、茶道が奥深く、噛みしめれば噛みしめるほど、魅力がたっぷりだなと再認識します。
そんな茶道の魅力を今一度振り返りたいと思います。
目次
より自分が生きやすい生き方を得られる
年齢を重ねていくからこそ、その良さを実感するのは、茶道・禅からの生き方への学びです。
人間は生きていれば何かに執着して苦しくなったり、悲しくなったり、はたまた嬉しくなったりとするものです。
そのときに、自分の心に寄り添い、または叱咤激励し、ともに歩みながら自分を強くしなやかにしてくれるのがこの茶道・禅の考え方、生き方です。
内省し、ひとつひとつにぶち当たる壁を乗り越える度に、心の穏やかさを手に入れてきました。この心の穏やかさを手に入れることがなんたる難しいことか、ということもよく分かります。
この心を持ち続ける努力をすることが、自分をよりよく生きやすくするコツかなとも思っています。
仕事にも役立つ!物事の本質を理解する視点を得られる
茶道は禅の教えが組み込まれているため、ひとつ、ひとつに意味があります。
お茶会はお茶が一番美味しく飲めるようになるために逆算して計算されているし、作法の動作ひとつひつとに意味があります。
そういったことを学ぶと、何かの事象があったときに、「これは何の意味があるのかな?」「これにはどんな本質があるのかな」「何を根底にゴールとしているのかな」と考える癖がつくようになります。
この考え方が、特に仕事をする上でとても役立っているなあと感じます。相手は何を求めて伝え、こちらは何を提供するのがベストなのか。もちろん、コミュニケーションをする上でも役立っています。
長い茶道の歴史から色んなヒントを得られる
茶道には長い歴史があります。最初は薬でしたが、のちに嗜好品になり、茶道具も発展して経済にもパワーを与える。そんな事柄もエピソードを掘り下げると、今現代でも学べることがたくさんあります。
例えば、千利休は茶道をもっと庶民にも流行らせるように!と思って、当時からすればとても簡略化した茶道を提唱して広めていきました。
これは、現在にも使える視点です。もっと多くの人に広めようと思ったら、より伝わりやすく、やりやすくする、というのが鉄則ということ。
茶道具も発展して、武士の間でも広まった、というエピソードからは、例えば、「人が集めたくなるようなものを作れば売れる」という考え方ができます。
このように、長い歴史の中で発展してきた茶道について学ぶと、色んなことが分かってきます。
リラックス・余裕を持つことの大切さがわかる
人生に何が起こるのか、ということは誰もコントロールできません。
しかし、自分の心をコントロールすることはできます。
あるとき、お笑い芸人のカズレーザーさんが面白いことを言っていました。「人間、怒られたとしても怒られたと思わなければノーダメージです。」と。まさに、これは禅の心だなと思いました。
そして、自分の心の視点次第ではマイナスもプラス、もしくはフラットにもできます。
それは相手や物事を許すということを決して推奨しているわけではありません。
せめて自分自身を大切に愛していくために、自分自身の心を軽やかにする方法です。
今ここにあることの大切さがわかる
何かに熱中したり、集中したり。そんな我を忘れるような、時間があっという間に過ぎ去る経験はありませんか。
実はそんな心の状態こそ、今を大切にできているということです。そして、そんな時間はストレスもなく、充実しているでしょう。
そんな時間を持つこと、そして持てることの大切さをずっと忘れずにいたいものです。
いつまでも得られるものがあるから続けられる
いかがでしたでしょうか。
茶道とは、非常に人の本質を捉え、目に見えない心の修行ををお茶という目に見える形で体現した面白い文化だなと感じています。
いくつになっても学び続けることができる、そんな茶道をこれからも楽しく続けていきたいと思っています。
ぜひ、自分自身を大事にしていくためにも、茶道を一緒に楽しんでみませんか。
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