アート思考、デザイン思考という言葉をご存じでしょうか。
美術大学に進学し、芸術学科で学んだ私は、アートとデザインの違いをこのように学びました。
「アートは問題提起、デザインは問題解決」だと。
その中で、注目されるアート思考、デザイン思考について茶道との関連性を見出したことをご紹介していきます。
(※以前、イベント会社さまとコラボした外国人向け&日本人向けの茶道イベント)
目次
1:アート思考とデザイン思考
そもそも、アート思考とデザイン思考とは何かについて記述しなければいけません。
ざっくりとはなりますが、以下にまとめると
・アート思考
多くの人に共感されるか、理解されるかとはいうことはおいておいて、人が「どう感じるか」「何を考えるか」ということを重視する
・デザイン思考
あるものをどのようにすれば多くの人に届けられるか、どのようにすることでよりよく使えたり、見せたりすることができるかという最適化を導きだすことを重視する
具体的な活用方法としては、アート思考によって想像をし、デザイン思考によってそれを創造に落とし込んで伝達していく、ということになると思います。
実は、この2つ、茶道の中の要素に入っていると考えることができます。
2:茶道のアート思考
・アート思考
多くの人に共感されるか、理解されるかとはいうことはおいておいて、人が「どう感じるか」「何を考えるか」ということを重視する
これはまさに茶道の精神性ともつながります。茶道は禅や精神性の教えと向き合い、学んでいくものです。
作法や教えなどを学ぶことで、時に内省したり、目に見えないことを重視することができます。
何を考え、何を感じるか、これは個々にゆだねられますが、茶道ではその部分をとても大切にしている文化なのです。
3:茶道のデザイン思考
・デザイン思考
あるものをどのようにすれば多くの人に届けられるか、どのようにすることでよりよく使えたり、見せたりすることができるかという最適化を導きだすことを重視する
これは、茶道の作法に通じます。茶道の作法というのは、「お茶を一番においしく飲んでいただくために一番美しく合理的に魅せる方法」です。
そのための最適化を示したものが茶道の作法といえるでしょう。
茶道にもアート思考とデザイン思考を持っている
茶道というと、「ただお茶を飲むだけ」「正座をして敷居が高いもの」と思われがちです。
しかし、今回のようにアート思考、デザイン思考というような要素を分けて考えてみると、茶道というものがぐっと面白く感じていただけるのではないでしょうか。