日本には煎茶、日本茶、緑茶など、いくつかの種類のお茶が愛されています。
その中でも日本の茶道というのは、日本のお茶文化の1つです。
そして、世界中には沢山のお茶文化があります。
これらには、様々な歴史的背景と独自の価値観があり、とても興味深いものです。
時には日本の茶道と近しいような考え方であったり、全く違ったりします。
他の文化を知ることで、より日本の文化の良さや面白さを発見することもできます。
今回は、様々なお茶文化の特徴をご紹介します。
目次
1:多くの国では、お茶には砂糖や違う葉っぱなどを入れて飲む
日本のお茶というと、特に香りづけをしたり、砂糖を入れるということはしません。
それは、お茶と呼ぶよりも、「甘いお茶」として認識されるでしょう。
しかし、日本以外では砂糖や香りづけに違う葉っぱを入れて楽しむことが多いようです。
いくつか例を挙げます。
・ロシアの場合
Борис Кустодиев «Купчиха за чаем» ボリス・クストーディエフ『お茶を嗜む商人の妻』(1918) pic.twitter.com/ZDbp9WGV7i
— ロシアの絵画・美術 (@russianart_jp) November 1, 2020
ロシアでは、ロシアンティーと呼ばれ、サモワールというポットで沸かして飲みます。
濃いめの紅茶(「ザルワカ」と呼ぶようです)を作って、飲むときはお湯を足して、好きな濃さにします。
そして、レモンやジャム、はちみつなどを加えて甘みをつけるようです。
ジャムを入れたお茶は「ロシアンティー」と呼ばれます。
・トルコの場合
実は、トルコは世界で一番紅茶を消費する国だそうです!
イギリスやインドかと思っていましたが、そうではないんですね。
トルコではインドと同じようにお茶を「チャイ」と呼びます。砂糖を入れて飲みます。
・モロッコの場合
モロッコなど北アフリカではミントティーをよく飲む。お茶は緑茶で、豪快に生ミントを入れることもある。今は緑茶は中国製が主らしいが、かつては日本からも輸入していたと聞く。そこで岩手花巻の産直で買った乾燥ミントを入れ、チャイグラスに日本緑茶を注いでみた。葉がふやけるほどに芳香が広がる。 pic.twitter.com/exyczljyen
— カフェバグダッド (@cafebaghdad) December 20, 2019
モロッコでは、ミントを加えて抽出し、砂糖を足した甘いミントティーが愛されています。
・ベトナムの場合
親戚からベトナム旅行のおみやげ「お茶☕とお菓子」をいただきました😋息子さんの彼女さんへ・・・と😆😆😆#海外旅行 #旅行 #ベトナム #お茶 #お菓子 pic.twitter.com/NOZsz0GdE7
— Aはぎさん (@ahagisan) June 14, 2018
ベトナムの伝統的なお茶は、「ロータスティー」です。
これは、植物の蓮を使ったお茶になります。
特に、ベトナムで古くから親しまれているのは、緑茶に蓮の花で香りをつけたお茶です。
お茶に1g香りをつけるには、1本のおしべが必要だそうです。
わずかしか取れないので、王族など貴族や上流階級のお茶とされてきましたが、現在でも人口の香りは使わない場合は高級扱いになるようです。
2:はじまりは、お茶文化のある国との国交などで影響を受ける
アジアなどの中国に近い国は、中国のお茶文化の影響を受けやすい傾向にあります。
日本もそうですが、やはりお茶の発祥と言えば中国を連想するでしょう。
もちろん、インドのお茶の文化も影響されていますが、影響力の大きさが違います。
また、他の国ではインドとの関係性が強くなるとインドのお茶文化の影響が大きいものです。
具体例をご紹介します。
・ロシアの場合
ロシアのお茶は、17世紀前半に、モンゴルからロシア皇帝に献上されたことで広まったとされます。
17世紀後半には清の国との国交が結ばれ、19世紀後半には中国から紅茶が輸入されることで、一気にお茶文化が広まりました。
中国からお茶が伝わった際には、中国茶のような飲み方をしていったそうですが、だんだんと浸透していくにつれて、サモワールを使うようなロシア独自のお茶文化を確立。
実は、今ではサモワールは一般家庭や日常生活には少なくなってきたものの、ロシア文化を表現する1つになっているようです。
・モロッコの場合
モロッコのミントティーは、1860年代に始まったとされています。
モロッコとチュニジア、アルジェリアからなるマグレブ地方では一般的なようです。
3:それぞれの国独自の文化に変わっていくのは、環境の要素が大きい。
たとえ、それぞれの国が中国やインドから影響を受けていても、それがそのまま引き継がれるということは多くはありません。
どちらかというと、それぞれの国における環境や習慣なども伴って変化いくことが多いのです。
それは、日本にも言えることです。
では、他の国ではどのように変わっていったのかを一部ご紹介します。
・アメリカの場合
アメリカでは、お茶というとアイスティーがとても愛されているようです。
さらに、実は、アイスティーの始まりはアメリカだと言われいます。
1904年にセントルイスで開催された万国博覧会にて、イギリスからきた紅茶の商人が紅茶の宣伝のために水を入れて紅茶を紹介したことから始まったようです。
そして、レモン農園の方がレモンを入れて飲んだことで、このおいしさを広めようとなり、レモンティーもアメリカ発祥説があります。
アメリカ南部では、砂糖を入れたアイスティーを「スウィートティー」として飲まれているとのことです。
この文化は、かつて砂糖が高価だった時代の名残でもあり、植民地だった際に上流階級の象徴として広まったと言われています。
・チベットやブータンなどのアジア中央部の場合
チベットからモンゴルに伝わり、茶葉の購入に財産を殆ど使ってしまいモンゴル帝国崩壊の一因になったとかいう与太話があるバター茶、飲んでみたい。 pic.twitter.com/nuztnYx9Zb
— イノシシ🐗長治 (@borisbadenov85) December 15, 2019
バター茶という煮出したお茶にヤクのミルク、バターと塩を入れて「ドンモ」という木製の容器に入れて混ぜからカップで飲むお茶です。
これは、高地にあって、乾燥した空気の中、身体の水分や熱量、塩分を補給して身体を温めるために飲むためとされています。
・香港の場合
香港のお茶文化はここ数十年で発展し、作り方は多様なようです。
例えば、濃い紅茶に無糖の練乳エバミルクを入れて、作ります。
香港ではイギリスの植民地であった時代にミルクティーを飲む文化は広まりました。
しかし、牧場がないため、その代わりに練乳を使った方法が広まったようです。
・イギリスの場合
イギリスのお茶文化といえば、アフタヌーンティーでしょうか。
始まりは、19世紀中頃に、朝と夜だけの2食の食事習慣だった際に、夕飯までの空腹感をおさえるために始まった習慣だそうです。
まずは、上流階級の貴婦人から始まり、浸透していきました。
その他にもイギリスには、1日のはじめに飲む「アーリーモーニングティー」や午前中の休憩時間に飲む「イレブンジズ」があります。
さらに「アフターディナーティー」などがあります。
4:お茶は飲むだけでなく、他の楽しみも見いだされる
日本の茶道でもそうですが、お茶は決して飲むだけのものではありません。
目で楽しんだり、誰かとのコミュニケーションを取るツールのためにもなります。
日本以外の国のお茶文化も例をとって、ご紹介します。
・北欧の場合
フィーカ☕️😋✨✨✨
— こまち (@wakakusakomachi) November 5, 2020
#木漏れ日のお茶会#セブンスイーツ pic.twitter.com/YV27ERKslf
スウェーデンでは「フィーカ」という言葉があり、意味はコーヒーや紅茶を飲んで休憩するという意味です。
また、ただお茶を飲むだけでなく、家族や友達、恋人など誰かと一緒にコミュニケーションをとりながら過ごすものです。
特にスウェーデンでは何度も「フィーカ」をするようです。
・中国の場合
久しぶりの工芸茶◥█̆̈◤࿉∥ pic.twitter.com/Jp7zYS3AeY
— さくら໒꒱· ゚ (@sakura4612mom) November 7, 2020
中国には本当に様々なお茶文化があります。
その中の1つ、「工芸茶」は、茶葉が開くところの美しさを楽しんだり、お茶自体が身体にも良いとされています。
この工芸茶とは、1980年代に考案され、見た目の美しさと身体への良さ、味のおいしさの3拍子がそろったものとして、名付けられています。
急須の「茶壺」(ちゃーふー)にお湯を入れて、お花が咲いたら飲み頃です。
飲み終わった茶葉は、水にうつしかえて、水中茶としても飾ることができるようです。
毎日お水を替えると1週間も美しさを保てるので、目でも楽しむそうです。
他の文化や考え方を知ることで、自分の視野が広くなる!
いかがだったでしょうか。
様々な国の文化や考え方を知ると、視野が広がり、新しい視点が得られます。
物事の見え方や考え方が変われば、いつもと変わらない日常から新しい日々に感じることができます。
そして、新しいアイディアが生まれたり、心が豊かになっていくのです。
ぜひ、日本の茶道だけでなく、他のお茶文化も楽しんでみてくださいね!