茶道の歴史から学ぶ!精神と美意識

茶道っていつからあるものなの?

茶道の歴史ってざっくり知りたい!

なんで茶道ってあんなに小難しい感じなの?

なぜ、現在の茶道教室では、お茶会を開くための練習がメインなのでしょうか。その理由は、茶道の歴史に答えがあります。

元々、お茶は奈良時代(710年~748年ごろ)中国から伝えられてきたものです。

遣唐使や中国から日本にきた僧侶たちによって日本へ来たと言われています。

平安時代(960年~1279年)の末に、栄西という僧侶が中国から質の良いお茶を持ち帰って、京都にお茶の実を植えました。

そのお茶がとても良く成長し、さらに質が良いお茶がとれるようになりました。

そして、お茶は宇治や静岡など日本全国に拡がっていったのです。

また、栄西は、ただ飲んで楽しむだけでなく、お茶を病気にも良いとして当時の将軍、源実朝(1192年~1219年)に献上されました。

それから、お茶は薬としても飲むようになり、武士の間でも広まるようになりました。

そして、中国からお茶の道具も輸入されるようになりました。

茶道

足利時代(1336年~1573年)になると、武士や商品の間でお茶を飲む習慣が拡がります。

ところが、当時は、お茶は贅沢品でお金持ちや貴族の遊びとして扱われていました。

例えば、闘茶や茶寄合といったお茶を飲んでどこの産地か当てるギャンブルなどです。

あとは、きらびやかで広い茶室や高い輸入品を集めて自分の力をアピールするような人も現れ始めます。

しかし文化は時に臨機応変でないと時代の変化に残りません。

次第に、このような贅沢品としてのお茶よりも、簡素で落ち着いた草庵の茶法(村田珠光 1423年~1502年)が親しまれるようになりました。

四畳半のような小さい部屋での茶会など、一般の人でも出来るようになりました。

そこから、街角などで売られる一服一銭のお茶という簡単なお茶も出来てきたのです。

そして、ここから、お茶の哲学、美意識が出来ました。

村田珠光のお茶を学んだ武野紹鴎(1502年~1555年)がさらにそれを簡素にアレンジして、「わび茶」を始めました。

それは、質素な中にも心を込めてお客様をもてなす気持ちを大事にするという精神的な面を表現したものです。

日本語でも「侘しい」という言葉があります。意味は、気持ちの面でとても静かな雰囲気で寂しい、悲しい、というものです。

そんな「わび茶」の精神を受け継いだのが千利休だと言われています。

千利休は多くの日本人が「茶道」「抹茶」といえば、この人だと言うくらにとても有名です。

茶道

千利休は、小さい頃からお茶を学び、そのうち、織田信長のお茶の指導者になりました。

本能寺の変で、信長が明智光秀に倒された後は豊臣秀吉に仕えるようになりました。

この頃には、関西の商人たちによって茶の湯が盛んになっていました。

さらに、千利休はわび茶の中に芸術性を見出して、「さび」という美意識を広めます。

さびとは、精神面や内面的なことを指すのではなく、表面的な、目に見えることを指します。

不完全で寂れた、古ぼけた様子に美しさを感じるという独自の感覚です。

日本語でも「寂しい」という言葉があります。この意味は、時に活気を失い、満ち足りていない状態や情景や状況の様子を表すことも指します。

日本語では「不完全な美」とも言います。

日本語の使い方としても、例えば、この絵はここが寂しいから、何か色を足そうなどといった意味です。

これは日本人独特の美意識として知られている言葉で、「わび・さび」という言葉としてお茶の精神的な面を指します。

茶道は長い歴史の中で、ただ飲むだけでなく、人への心のあり方や質素な中にも美しさを見出す美意識といった独自の価値観を日本人に広めました。

今でもその価値観は日本に残っています。

例えば、お寺や神社などです。そんな茶道ですが、実は全国に500以上も流派があると言われています。流派とは細かいタイプのことです。流派によって作法や使う道具、考え方は異なります。

多くの人が目にするような茶道は千家といって、千利休の孫たちが確立した、表千家、裏千家、武者小路千家が主流です。

例えば、お店では泡がたっぷりの抹茶を出されることが多いので、裏千家のタイプです。

他の2つはあまり泡を立てません。それにも意味があります。

もちろん、泡があるのとないのとでは味は変わります。

泡があると空気を含んでまろやかな味となります。泡立てることで香りを全体的に広げるので、お茶碗に顔を近づけるだけでも良い香りがします。

泡がないとより直接的に抹茶の味があります。とてもシンプルです。

このように、ただ飲むだけでなく、考え方によって作法やお茶さえも違うものが茶道です。

だから、茶道は人生にも例えられます。

茶道
人は考え方によって行動や言葉の使い方も変わってきます。茶道はお茶の道、人生の道とも言われています。そのため、ずっと学んでいくものと考えられているのです。

その実践が茶道のお茶会とされています。実際に、お茶を相手にために点てる、お客様としてマナーを守る、そういった経験を通じて、考え方も身につくとされているのです。

茶道をする上での心のあり方を表す言葉に「和敬清寂」というものがあります。

和敬清寂の意味は、

・和→お互いに心を開いて仲良くすること

・敬→尊敬の意味で、お互いに敬い合うこと

・清→心身共に清らかであるということ

・寂→どんな時でも動じない心

このそれぞれの意味を合わせたものを言います。お互いに心を開いて、お互いの意見を尊重することで、1つの縁を作り上げる。それが、お互いにとって良い影響を与え合うと考えられています。

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